私たちは、新しいDESIGNER像を探しています。
それは優れた科学者のように謙虚で、実直な職人のように本質を捉え、
どこにでもあった誠実な個人商店のように頑固であるかもしれません。モノを考え、つくり、販売する。
モノつくりへ総合的に関われる場所として、軽井沢にスカンジナビアの工芸、デザイン、
そしてオリジナルデザインを扱うNATUR(ナチュール)を始めました。





デザインの道徳律。

私たちのモノ作りへの姿勢はSwedenで培われました。
Swedenのほとんどの家具デザイナー、テキスタイルデザイナーは特定の企業に属さないフリーランスです。
それはデザイナーが自らのデザインを選んでもらう能力に加え、
クライアントである家具企業を選ぶ能力を必要とされることを意味します。
選ばれる才能と選ぶ才能は同等にデザイナーの身につけるべき能力であると学びました。
また、その地で作られるモノをデザインするにはその場所で暮らすのが好ましいということも。
場所を否定し場所からデザインを引き剥がすことはできません。
暮らすことでしか感動できない事柄や変化を感じ取り、そこで暮らす人々と共に日常にありふれた風の匂いや
光の温度や音色を共有し感動すること。場所と対象の関係に先在性を証明し、
その土地への愛着が誇りへと変わる状態を1つのデザインの道徳律としてきました。
そうやってできたデザインは簡単には古びません。
しかし、それでも本来デザインが持つ不誠実さや矛盾性による空虚は補うことができないと知りました。
なぜならデザインとは分業化された、モノ作りの過程でしかないからです。
社会を見据えてデザインを誠実に行おうとするほど大衆のための商品、つまり大量生産、大量消費を
設計するために生まれたデザイナーという職業形態の矛盾性に気付かずにはいられませんでした。
これまでの古いデザインを否定することで成り立ってきたデザイン方式では成り立たない、
デザイナー自体をデザイナーが否定する時期に来ていると私たちは考えています。
モノを考え、作り、販売する。私たちは、モノ作りへ総合的に関わりながら新しいデザイナー像を模索しています。